ルビンの壺(盃)という図形を見たことがありますか?
美術の教科書などで見たことがあるかもしれませんが、見方を変えることで、壺に見えたり顔に見える不思議な図形です。
今回は、ゲシュタルト心理学に大きな影響を与えたルビンが考案した「ルビンの壺」と、2つの異なったものが見える理由について一緒に考えてみましょう。
図と地とは?
ルビンの壺から見る図と地

人が形を知覚するためには、図と地に分化する必要があります。「図」は背景から浮き出て見える形で、「地」は背景に広がって見える形です。
「顔を図」とすると「壺が地」となり、「壺を図」とすると「顔が地」となります。
このように、どちらかを図として見ると、ほかの部分は地となるため、背景としてしか認識できなくなります。
ルビンの壺は、ルビンが考案した図地反転図形(多義図形)と呼ばれる図形で、ルビンはこれらの図版の観察を行うことで、図と地の特性を明らかにしました。
図になりやすい要因

「図と地」において、「図」になりやすい要因がいくつか存在していて、その要因の多くは「プレグナンツの法則」と共通しています。
閉合の要因:閉じているまたは囲まれているものは図になりやすい。
狭小の要因:小さく狭い形のものは、大きく広い形よりも図になりやすい。
内側の要因:2つのものが内側と外側の関係にあるとき、完全に取り囲まれていなくても内側の領域が図になりやすい。
同じ幅の要因:同じ幅を持つものは、ほかの領域から浮かび上がって図になりやすい。
相称の要因:規則的な形や相称(シンメトリー)は、不規則な形のものよりも図になりやすい。
空間的方向の要因:垂直、水平方向に広がるものは図になりやすい。
このほか、動いている形のものは図として認識されやすい傾向があります。
プレグナンツの法則についてはこちらをご覧ください!
まとめ
私が使っていた美術の教科書に、「ルビンの壺」のような図地反転図形やだまし絵、錯視図形などがたくさん載っていて、それがとても面白くてずっと見ていた記憶があります。
エッシャーという人が描いた「昼と夜」という作品も、「図と地」の特性が活かされていて、注目する場所によって見え方が変わる面白いトリックアートです。こちらは著作権があるため、紹介できませんでしたが、よかったら調べて絵を見てみてください。
図と地に分けないと認識ができず、どっちかに焦点を当てると、ほかのものを知覚できなくなってしまうのは、不思議ですね…
