認知心理学とは? 感覚・知覚・認知の違いについて

認知心理学

心理学の学問分野の中に、「認知心理学」がありますが、どのようなことを研究しているのかご存じでしょうか?

「認知」という言葉については、漠然としたイメージがあっても、いざ説明してくださいと言われると「よくわからない…」と悩んでしまうのではないでしょうか。

今回は、認知心理学はどのようなことを研究しているのか、感覚と知覚、認知の違いについて紹介します。

認知心理学とは?

認知心理学の成り立ち

認知心理学とは

ワトソンが提唱した行動主義心理学は、20世紀初頭から心理学の主流となって、多くの研究が行われました。しかし、行動主義に限界を感じた研究者たちが、ワトソンの行動主義を受け継ぎながらも、新たな視点で研究を行って、新行動主義心理学という分野が確立しました。

時は流れ、1950年代後半からコンピューターの開発が進んだことで、研究者たちはコンピュータの情報処理を活用して心の仕組みを理解しようと考えました。テクノロジーの発展によって誕生した学問分野が、認知心理学です。

認知心理学は、人が外界を認識して、「記憶」や「問題解決」を行う認知機能を明らかにするために、感覚、知覚、記憶などを対象に研究を行います。

行動主義心理学が入力と出力の関係にのみ焦点を当てた研究だとすると、認知心理学はその間にある情報処理にも注目して、刺激と反応にとどまらず、「認知」を研究の対象にしました。

認知革命…1950年代、刺激と反応の連合を研究する行動主義心理学とは異なり、「人の心がどのように働くのか」という内的プロセスを重視する考え方が生まれた。

感覚・知覚・認知

認知心理学

感覚とは、外界の物体や出来事から物理的な刺激の情報を受け取ること、また自分の身体の状態について知る働きのことです。感覚の種類は、感覚モダリティと呼ばれていて、一般的には感覚受容器の違いを基準に分類されることが多いです。

感覚受容器は、視覚であれば網膜の視細胞、聴覚であれば内耳の有毛細胞、味覚であれば舌にある味蕾の味細胞になります。

感覚は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚、運動感覚、平衡感覚、内臓感覚に分類され、皮膚感覚は触覚、痛覚、温覚、冷覚など、さらに細かく分類されることもあります。

自分が生活している中で、光や音、匂いなどの刺激を感覚受容器で受け取って、感覚神経を通って脳がその情報を解読する過程が感覚です。

感覚は、刺激の特性(音や匂いなど)に強く影響を受け、自動的で不随意であるという特徴を持ち、知識や過去の経験、思考による影響を受けることがありません。

知覚は、感覚で捉えた情報(感覚刺激)を統合して、まとまりのあるものにする心理過程のことです。知覚は高次の情報処理を担い、総合的に捉えるという特徴があります。

感覚と知覚の境界は明確ではなく、感覚と知覚を区別をしないという研究者の方もいます。

心理学の主流となった認知心理学

認知心理学という言葉は、1967年にウルリック・ナイサーの著書に登場したことによって、広く知られるようになりました。ナイサーは、認知心理学の基礎となるゲシュタルト心理学の創設者の一人であるヴェルトハイマーの助手であったケーラーのもとで学んでいた心理学者です。

認知心理学は、「マジカルナンバー7±2」や「チャンク」の概念を提唱したことで知られるジョージ・ミラーの研究をはじめ、多くの心理学者が研究を行いました。

ワトソンの行動主義心理学は、「行動」のみを研究対象にしているため、意識や認知などの内的な要素が排除されましたが、認知心理学は内的プロセスの重要性を示し、その後の心理学研究の主流となって、現在も研究領域を広げながら発展しています。

まとめ

今回は、認知心理学について紹介してきましたが、認知心理学について少しでも理解が深まっていると嬉しいです。

認知心理学では、記憶についての研究が多く行われているので、ミラーの「マジカルナンバー7±2」やチェリーの「カクテルパーティ効果」についても順次、紹介していきたいと思います。

認定心理士や公認心理師のカリキュラムでは、知覚と認知を合わせて、知覚・認知心理学となっていることが多いようです。私も大学では知覚・認知心理学という科目だったので、「こんにちは!心理学」では、知覚・認知心理学というカテゴリーにさせていただいています。

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