シュテルンの「輻輳説」とジェンセンの「環境閾値説」

輻輳説 環境閾値説 発達心理学

心理学者が発達に影響を与える要因を議論し始めた当初は、「遺伝」もしくは「環境」のどちらかに偏った主張になることが多かったのですが、性格の研究が進んで行くにつれて、どちらか片方だけでは説明をすることが難しくなっていきました。

そこで、遺伝と環境の両方が影響していると考える「輻輳説」と「相互作用説」が登場しました。

輻輳説と環境閾値説

シュテルンの輻輳説

輻輳説 シュテルン 発達心理学

性格の研究が進むにつれて、性格や能力の発達に影響するのは、「遺伝だけ」または「環境だけ」といったように、どちらかだけでは説明することができなくなってきました。

ドイツの心理学者シュテルンは、「遺伝」と「環境」が足し算のように組み合わさっているとして、「輻輳説」を提唱しました。

輻輳(ふくそう)とは、たくさんのものが一か所に集中するという意味です。

輻輳説では、遺伝と環境がどれくらい影響を与えているのかは、特性によって変化します。

例えば、という特性があるとします。という特性は遺伝が2割で環境が8割、という特性は遺伝が5割で環境が5割のように、それぞれの特性によって割合は異なると考えます。

ジェンセンの環境閾値説

環境閾値説 ジェンセン 発達心理学

アメリカの心理学者ジェンセンは、遺伝による素質があったとしても、それを才能として開花させるためには、適切な環境が必要であると考えました。素質や能力を伸ばすために最低限必要となる環境水準を「環境閾値」と呼び、その閾値を超えたときに才能が開花するという「環境閾値説」を提唱しました。

グラフの特性A(身長など)は、遺伝的な影響が強いと考えられているため、極端に栄養が不足していない限り、環境要因に関わらず身長が伸びる可能性が高いと考えられます。

グラフの特性D(絶対音感など)は、環境要因が強く影響するため、絶対音感の才能があったとしても、絶対音感を身に着けるためには幼少期から音楽を学ぶ環境がないと、その才能を開花させることが難しくなります。

ジェンセンの「環境閾値説」は、相互作用説の初期的な研究の一つで、「環境」と「遺伝」が掛け算のように作用すると考えます。

相互作用説…「遺伝」と「環境」は互いに影響を与え合いながら発達するという考え方。

まとめ

性格や能力の発達に影響を与えるのは、「生まれ(遺伝)なのか、 育ち(環境)なのか」という議論は古代から行われていましたが、現在は遺伝と環境がどちらも影響を与えているという相互作用説が支持されています。

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