ゲシュタルト心理学とは?

ゲシュタルト心理学

認知心理学の基礎となったゲシュタルト心理学は、私たちの身近なアニメやウェブデザインなどにも多く活用されています。

今回はゲシュタルト心理学が誕生した背景から、創設者の一人であるヴェルトハイマーに焦点を当てて紹介していきます。

ゲシュタルト心理学

ゲシュタルト心理学の誕生

ゲシュタルト心理学

ヴントの複雑な意識現象も単純な要素に分解できるという「要素主義」の考え方が提唱されていた頃、それを批判する心理学者たちがいました。

行動主義心理学のワトソンや精神分析学のフロイト、ゲシュタルト心理学の研究者もヴントの意識は「要素」に分解できるという主張を批判しました。

「ゲシュタルト」という響きが不思議な感じがしますが、ドイツ語で「形」や「形態」という意味です。

ゲシュタルト心理学は、グラーツ学派とベルリン学派があります。グラーツ学派は、オーストリアのグラーツ大学を中心とした学派で、エーレンフェルスの論文「ゲシュタルト質について」で、初めて「ゲシュタルト」という用語が使用されました。

エーレンフェルスは、音楽のメロディーを移調(曲全体を別のキーに変えること)したり、ほかの楽器で演奏すると、個々の音は変わってしまうけれど、メロディーは同じように知覚できると論文で主張しました。

ゲシュタルト心理学

ゲシュタルト心理学は、意識現象の本質は細かい要素の寄せ集めではないため、全体性や構造を重視するべきだと考えました。

ゲシュタルト心理学を説明するときに挙げられる例として、音楽やオーケストラの演奏があります。

音楽を聴くときに音符を個々に認識するのではなく、全体のリズムやメロディーを聴いて、曲として認識するため、一つの音(要素)ではなく、リズムやメロディー(全体)が本質であるという考えから、ゲシュタルト心理学も要素よりも全体を重視しています。

ヴェルトハイマーの心理学

ヴェルトハイマー

ヴェルトハイマー(ウェルトハイマー)は、ドイツの心理学者で、認知心理学の基礎となったゲシュタルト心理学の創設者の一人です。

ベルリン学派のゲシュタルト心理学者で、仮現運動をひらめき、コフカ、ケーラーと実験を行って、「運動史の実験的研究」を発表しました。

仮現運動

仮現運動(φ現象)とは、静止している物体が短時間に連続して提示されると、動いているようにみえる現象です。

誘導運動…実際には動いていない物体が、周囲の動きに影響されて動いているように見えること。(例)止まっている電車に乗っているときに、反対側の電車が動き出すと、自分が乗っている電車が動いたように感じること。

β運動…隣り合う2つの物体が交互に提示されると、動いて見える現象です。漫画のイラスト(手を振っているように見えるイラストなど)やアニメ制作、電光掲示板(文字が流れているように見える)などに活用されています。

プレグナンツの法則

プレグナンツの法則

人は曖昧や不完全なものを知覚するときには、全体をより簡潔で「まとまりのあるもの=ゲシュタルト」として知覚(知覚の体制化)しようとします。

ヴェルトハイマーは、これを「プレグナンツの法則」と呼びました。バラバラのものがまとまって見えるのは、ゲシュタルト要因が関係しています。

ゲシュタルト要因にはいくつかの種類があります。例として、かっこをセットの記号であると認識できる閉合の要因や、似た形のものをまとめて知覚する類同の要因などがあります。

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まとめ

今回は、ゲシュタルト心理学の創設者の一人であるヴェルトハイマーに焦点を当てて、ゲシュタルト心理学とは何かについて紹介してきました。

ゲシュタルト心理学への興味が深まったでしょうか?

ゲシュタルト心理学は、ケーラーの洞察学習、ルビンの盃(壺)のルビン、グループダイナミクス(集団力学)の研究を創始したレヴィンなどの研究者がいます。

上記のゲシュタルト心理学の研究者についても、順次紹介していきます。

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