「要素を分析すれば、心について解き明かすことができる」と考えたヴントの意識主義。
一方、ゲシュタルト心理学の創設者の一人である心理学者のヴェルトハイマーは、「要素を分析することよりも、全体を研究するべきである」と考えました。
ヴェルトハイマーは、プレグナンツの法則が成立するために必要な、いくつかのゲシュタルト要因を導き出しました。
今回は、ゲシュタルト心理学の「プレグナンツの法則(群化の法則)」と、よく知られている「ゲシュタルト要因」について見ていきましょう。
プレグナンツの法則とは?
ヴェルトハイマーのプレグナンツの法則
人は曖昧や不完全なものを知覚するときには、全体をより簡潔で「まとまりのあるもの=ゲシュタルト」として知覚しようとします。
ヴェルトハイマーは、これを「プレグナンツの法則(原理)/群化の法則」と呼びました。プレグナンツは「簡潔」を意味するドイツ語です。
バラバラのものがまとまって見えるのは、ゲシュタルト要因が関係しているからです。
プレグナンツの法則が成立する要因として、近接の要因、類同の要因、共通運命の要因、客観的構えの要因、よい連続の要因、閉合の要因、過去の経験の要因などがあります。
近接の要因

近接の要因とは、お互いの距離が近くにあるものが、離れたところにあるものよりもまとまって知覚されやすいというものです。
イラストのように、近くにある丸や線はグループのようにまとまっていると感じるのではないでしょうか。
類同の要因

類同の要因とは、色・形・大きさなどの似ている要素を持つものがまとまって知覚されることです。
イラストの星・丸・三角も、縦より横の同じ性質を持つものをまとまりだと認識します。
閉合の要因

閉じているものや囲われたものは、まとまって知覚されます。
括弧は2つでセットだと認識できますよね。また三角形の一部が開いていても、三角形だと知覚できるのは、閉合の要因によるものです。
共通運命の要因

共通運命の要因とは、同じ方向に同じ速さで移動するものがまとまって知覚されることです。
イラストの3色の星が、オレンジ色の星だけ移動をしたら、オレンジ色の星がまとまりのあるものだと認識されます。
分かりやすいように星に色を付けていますが、全部同じ色でも、動くものをまとまりとして知覚します。
よい連続の要因

よい連続の要因とは、滑らかに連続している線や図形は、ひとつのまとまりとして知覚されるということです。
イラストの×印は、2本の曲線が交わっているように見えます。Vのような尖った曲線が重なっているとは思いませんし、4本の線が組み合わさっているとも思わないでしょう。
過去の経験の要因とは?

プレグナンツの法則のゲシュタルト要因の一つである「経験の要因」は、見たものを認識するときに、見る人の経験や主観が影響を与えるというものです。
見たものの情報が多すぎるまたは少なすぎるときには、経験が見たものを認識するときに大きな影響を与えます。
娘と老婆(妻と義母)というだまし絵も、過去の「経験の要因」によって、見え方が変わります。
焦点を当てる場所によって、若い女性に見えたり、高齢の女性に見える不思議な絵です。
日本人はほとんどの人が若い女性に見えるそうですが、身近に高齢の方がいる人は、この絵が高齢の女性に見えるそうです。
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