産業・組織心理学とは? 産業心理学の歴史と4つの研究テーマ

産業・組織心理学

あなたは「産業・組織心理学」と聞くと、どのような心理学をイメージしますか?

今回は、産業・組織心理学とはどのような心理学なのか、産業心理学の歴史と研究しているテーマについて紹介していきます。

産業心理学の歴史

産業心理学の創始者

産業・組織心理学は、ドイツ出身(のちに渡米)の心理学者ミュンスターベルクによって創始された応用心理学の分野の一つです。

産業や組織における人の心理や行動を研究することによって、労働環境や組織の運営を健全なものにすること、さらに生産性を高めることを目指しています。労働者だけではなく、消費者の心理や行動も研究が行われます。

産業・組織心理学 ミュンスターベルク

ミュンスターベルクは、心理学の創始者と言われているヴィルヘルム・ヴントのもとで心理学を学びました。

心理学を学んだミュンスターベルクは、心理学を産業の実践的な場面に応用しようと試みました。そして、産業心理学が行う研究のテーマとして、①最適な人材の選抜、②最良の仕事方法、③最高の効果発揮の3つを挙げました。

最適な人材の選抜とは、その職業に最も適している人を選んで配置するなど、人事や職業の適正に関することです。

最良の仕事方法とは、どのように学習や訓練をすればよいのか、注意のコントロールをどのように行うのか、疲労の蓄積を考えて作業を行うなど、最良の仕事をするための条件を追求することです。

最高の効果発揮は、広告、陳列、販売などの消費者心理に関することです。

また同時期のアメリカでは、産業の発展に伴って生産性の向上が求められていました。そのため、組織に属する人間の心理や労働の効率に関する研究は盛んに行われるようになりました。これらの研究分野は、「組織心理学」と名づけられました。

「産業心理学」と「組織心理学」は、とても関連が深い分野であるため、アメリカ心理学会は1973年に、「産業・組織心理学」という名称に変更しました。

産業・組織心理学の4つのテーマ

ミュンスターベルクが主張した3つのテーマは、現在の産業・組織心理学にも続く重要な研究テーマです。

現在の産業・組織心理学では、組織行動、人事、安全衛生、消費者行動の4つが研究領域となっています。

組織行動

産業・組織心理学 組織行動

組織行動は、組織の中で働く人たちの心理や行動の特徴を研究します。

モチベーション(仕事のやる気)、職場の人間関係、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、ハラスメントなどが主な研究テーマとなっています。

人事

産業・組織心理学 人事 人的資源管理

人事(人的資源管理)は、どのような要因が働く意欲を高め、より効率的で高い生産性に繋げられるのかについて研究が行われています。

採用や選抜、適性検査、配属、人事評価、キャリアップなどが研究テーマです。

安全衛生

産業・組織心理学 安全管理 ストレス

安全衛生とは、働く人の安全や心身の健康を守るために、知覚心理学や人間工学などのさまざまな観点から検討する分野です。

仕事の疲労やストレス、メンタルヘルス、ヒューマンエラー、温度や騒音などの職場の環境が主な研究テーマとなっています。

消費者行動

産業・組織心理学 消費者行動 広告

消費者行動とは、消費者の心理や行動の特性を研究することで、どのような宣伝が購買意欲を促進するのか検討する分野です。

どのようなときに購買意欲が高まるのか、商品の価値判断はどうやって行われるのか、どのような宣伝や広告が効果的なのかなどが主な研究テーマです。

消費者行動は、マーケティングの戦略を考えるときに重視されます。

まとめ

今回は、「産業・組織心理学」の歴史と研究テーマについて紹介しました。

産業・組織心理学は、働く人の採用や配属、キャリアアップ、労働環境の整備だけではなく、消費者としてサービスを購入するときの心理などが研究されているため、私たち一人ひとりにとって、とても身近なテーマだと思います。

産業・組織心理学もたくさんの研究が行われているので、順番に分かりやすく紹介していきたいと思いますので、お楽しみに!

  • URLをコピーしました!