「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。」という言葉を聞いたことはありませんか?
今回は、「ジェームズ=ランゲ説」でも知られている、ウィリアム・ジェームズの功績を一緒に見ていきましょう!
ウィリアム・ジェームズ
ジェームズの功績

ウィリアム・ジェームズは、アメリカの心理学者で哲学者でもあります。アメリカの実験心理学の創始者で、ハーバード大学の教授をしていました。
ジェームズは、ヴントの意識研究に影響を受けましたが、ヴントの意識を細かい要素に分解するという要素主義に違和感を感じたようです。
「人の心がどのような状況で、どのように働くのか」という意識の機能(役割)に興味を持ったジェームズは、機能主義という立場で意識の研究を行いました。
機能主義とは

「人の心が、なぜどのように動くのか」という、心の働きを研究することが機能主義の立場です。
人が環境に適応して生きていくために、意識がどのような機能(役割)を果たしているのか研究を行います。
テレビで例えてみましょう。ヴントの要素主義は、テレビの部品(要素)を分解して、それを一つひとつ分析する研究方法です。
それに対して、機能主義は部品を分解するのではなく、テレビの動き方やテレビの機能(役割)に着目します。
ジェームズの意識研究

ジェームズは、意識は固定されたものではなく、常に変化しているため「意識は流れるものだ」と表現しました。
画像のイラストのように、アイスを食べようとした人がいるとします。
アイスを見た人は「おいしそうだな(感情)」と思いますが、でも「食べると太ってしまうかも(思考)」と考えました。でも、「アイスを食べよう(意志)」と思いました。
アイスを食べると「冷たい(感覚)」と感じ、「どこかで食べたことがある味だ(記憶)」と昔のことを思い出しました。そして、アイスを食べた結果、「アイスを食べられて嬉しい(感情)」と感じました。
このように、人の意識は短い間に絶えず変化しています。
意識は「川の流れのように絶えず変化している」ため、要素主義のように要素の一部分を切り取って分析してもジェームズは納得する答えが得られず、機能主義という立場を選んだのかもしれません。
ジェームズ=ランゲ説
ジェームズは「情動の抹消起源説/ジェームズ=ランゲ説」を主張しました。
私たちの日常ではあまりない状況ですが、ばったりとライオン(怖いもの)に遭遇してしまったときの反応をイメージしてみてください。
あなたは、ライオンに遭遇してしまった人がどのような感情の過程を経ると思いますか?

一般的には、もしライオンなどの怖いものと鉢合わせしてしまったときには、まず「怖い」と感じて、そのあと「震える」「身動きが取れなくなる」といった身体反応が生じると考えられています。
しかし、ジェームズはまずライオンを見て、まずは震えるという身体反応が起こり、そのあと怖いと感じると考えました。
ジェームズは、「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。」と言いました。
この言葉にあるように、「感情身体反応」ではなく、「身体反応感情」とする説を、情動の抹消起源説orジェームズ=ランゲ説と言います。
ジェームズ=ランゲ説は、ウィリアム・ジェームズとカール・ランゲが同じ主張をしたため、2人の名前が付けられています。

まとめ
今回は、ウィリアム・ジェームズの功績を紹介しました。
ジェームズの提唱した理論や主張は、その後の心理学の研究や文学にも影響を与えました。
ジェームズの「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。」という意見については、大学でべんきょうしたときに「ほぇ!? そうなのか…?」と疑問に思ったのですが、あなたはどう思われましたか?
ウィリアム・ジェームズは、とても有名な心理学者・哲学者なので、興味が出てきたと感じたら調べてみると面白いかもしれませんね。
