心理学者のジャン・ピアジェは、子どもの認知の発達に着目して、発達段階を4つにまとめました。
今回は、ピアジェの認知発達理論と関連ワードを一緒に学んでいきましょう!
認知発達理論とは?
子どもの認知発達に注目したピアジェ
心理学者のピアジェは、子どもの認知の発達を研究していました。
そして、実際には目の前にないものを子どもが想像して、ものごとを考えることがどのようにできるようになっていくのかという過程に注目しました。
彼は自分の子ども3人の観察から、認知の発達が感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の4つの段階があると主張しました。
「操作」とは、頭の中で行う論理的な思考ができるかということを意味します。
シェマ・同化・調節

外界のものごとを認知するための枠組みをシェマと呼びます。
例えば、「ふわふわした動物」を「ワンワン(犬)」と考える枠組み(シェマ)を持った子どもが、初めて猫を見ると「ワンワン」だと思うでしょう。初めての経験をすると、子どもは自分が持っている枠組みに合うように情報を理解しようとします。これを同化と呼びます。
犬と猫が違う動物であると認識するためには、「ワンワン」と鳴くのが「犬」、「ニャーニャー」と鳴くのが「猫」と言ったように、これまでの枠組みを修正して、新しい枠組みを構成する必要があります。これを調節と呼びます。
認知発達の4段階
| 発達段階 | 年齢 | 内容 | |
|---|---|---|---|
| 感覚運動期 | 0~2歳頃 | 感覚や運動を通して「もの」に働きかけて、 それがどのようなものなのかを知っていく時期。 | |
| 前操作期 | 2~7歳頃 | 頭の中にイメージ(表象)をして、 考えたり行動ができるようになる。 自己中心性が特徴。 | |
| 具体的操作期 | 7~11歳頃 | 目に見える具体的なものであれば、 論理的な思考ができる。 | |
| 形式的操作期 | 11~12歳以降 | 目に見えない抽象的なことも、 論理的に考えられるようになる。 | |
第1段階:感覚運動期

感覚運動期は、0~2歳頃です。見る、触る、舐める、叩くなど感覚を通して、外界にあるさまざまなものを知っていく時期です。
赤ちゃんは手に取ったおもちゃを振ったり咥えたりしますが、これは自分が「もの」に対して働きかけた結果がどうなるのかを主体的に学ぼうとする行動です。何度も同じものを触ったりする行動(循環反応)が見られます。
また、感覚運動期の後半になると、対象物が自分の視界から見えなくなっても、消えてなくなったのではなく、存在し続けているという認識(対象の永続性)ができるようになります。
第2段階:前操作期

前操作期は、2~7歳頃です。まだ論理的な思考はできませんが、頭の中にイメージをして、考えたり行動することができるようになってきます。
ブロックを車に見立てたり、積み木でおままごとをするなど、ごっこ遊びなどができるようになります。しかし、他者の視点に立って物事を考えることはまだ難しく、自分だけの立場から物事を見る「自己中心性」が特徴的です。
自己中心性のある子どもは、自分の視点と他者の視点を区別することができないため、他者は違う考え方をしているということを理解することが難しいです。これは、三つ山課題で確認することができます。
前操作期には、無生物にも命があって、心があると考える傾向があります。これはアニミズムと呼ばれていて、「ぬいぐるみが痛がっている」、「お人形がお腹を空かせている」と言うことがあります。
第3段階:具体的操作期

具体的操作期は、7~11歳頃です。具体的なものごとを客観的、論理的に頭の中で想像して考えることができるようになります。
論理的思考の例として、形の違う容器に同じ量の水を入れたとき、見た目は違いますが、容器の中の水分量は同じです。
このように、見た目が変わっても、対象の本質は変わらないことを「保存の概念」と言い、具体的操作期に獲得します。
保存の概念は、性質によって獲得する時期が異なります。数の保存は7歳頃、長さの保存は9~10歳頃、量の保存は11歳頃と言われています。
また具体的操作期になると、自己中心性から脱却して、他者の視点に立ってものごとを理解することができるようになります(脱中心化)。
第4段階:形式的操作期

形式的操作期は、11~12歳以降です。目に見えない抽象的なことや仮説的なことについても、論理的に考えられるようになり、仮説や記号だけで説明される論理についても理解できるようになっていきます。
まとめ
子どもの発達段階については、さまざまな理論が提唱されていますが、ピアジェは「認知の発達」に焦点を当てて、自身の考えを主張しました。
ピアジェの認知発達の関連ワードについては、もっと深堀りできるポイントがたくさんあるので、順番にピックアップして紹介していきたいと思います
