子どもの頃に起こった出来事について話しているときに、親と子どもで話が食い違ってしまった経験はありませんか?
年齢が低くなるほど本人の記憶は曖昧になってしまうこともありますし、どちらかが忘れているだけのこともあるかと思います。
しかし、子どもの頃の記憶を意図的に変えることは可能ではあるが、意図的に作れらた記憶は危険であるとして、虚偽記憶の実験を行った心理学者がいます。
今回は、ロフタスが行った「ショッピングモールの迷子」の実験を一緒に見ていきましょう。
虚偽記憶を植え込む実験
虚偽記憶とは?

実際には起こっていないことを事実として記憶してしまうことを、虚偽記憶または過誤記憶と言います。
アメリカの心理学者エリザベス・ロフタスは、冤罪になった事件の多くが、目撃者の誤った記憶が原因で発生していることに注目して、虚偽記憶に関する実験を行いました。
ロフタスが行った有名な実験は、自動車が衝突する映像を被験者に見せて、事故のときのスピードとガラスが割れたかどうかについて尋ねるものです。
この実験のポイントは、「どれくらいのスピードでぶつかりましたか?」と「どれくらいのスピードで激突しましたか?」という質問の違いです。
「激突した」という言葉を聞いた被験者の方が、衝突したときのスピードが速く、さらに映像では割れていなかったガラスについても割れていたと誤った回答をしました。
質問の仕方によって、実際に起こっていない出来事の記憶が形成される(虚偽記憶の形成)ことをロフタスは実験で明らかにしました。
虚偽記憶についてはこちらをご覧ください!
ショッピングモールの迷子

ロフタスは、幼児期に親から虐待されたと訴える人の中に、カウンセラーが意図的に植え付けた虚偽記憶が含まれているのではないかと考えました。
そこでロフタスは、被験者に虚偽記憶を植え付けるショッピングモールの迷子という実験を行いました。
ここでは、わかりやすく被験者を
まず、君の両親から子どもの頃のエピソードを聞いて、実際に起こった出来事を書き出しました。
そして、ショッピングモールで迷子になったことがあるという架空のエピソードを追加して、君に渡して読んでもらいました。
すると、君は「自分はショッピングモールで迷子になったことがある」という実際に経験したことがない出来事を、「自分が経験した出来事」だとして思い出しました。
だけではなく、被験者の25%は実際には経験していない「迷子」になった経験を具体的に思い出したそうです。
これは、迷子になったこと経験がないのに、事実だと誤って認識してしまっているので、虚偽記憶が形成されていることになります。
この実験によって、人の記憶はとても曖昧で、被験者の感情や思考、言葉によって誘導されることなどによって、記憶が変わってしまうことが示されました。
まとめ
ショッピングモールの迷子の実験では、実際に起こった事実と架空の出来事が混ざっているため、すべて自分が本当に経験したことだと思いやすいのかもしれません。
子どもの頃に経験したことの記憶は、実際に起こった出来事であることが多いとは思いますが、何かのきっかけで変わってしまう可能性はあるかもしれません。
ロフタスは冤罪事件の多くが事実ではない目撃証言によって有罪となっていることや、事実とは異なることの植え付けが誘導尋問などによって行われることを危惧していたようです。
